てくてく
地獄。
別府ホテル塒が位置するここ鉄輪エリアは、かつてから「地獄」と呼ばれてきました。
この地域は昔より噴気、熱泥、熱湯などがいたるところから噴き出していたという記録が「豊後風土記」に記されており、近寄ることもできない恐ろしい場所であったと言われています。
そういった背景から約千年以上もの間、人々はこの地を地獄と呼ぶようになりました。
今日はそんな地獄の雰囲気を味わいながら、谷の湯通りをてくてく。
鉄輪のメイン通りからほんの少し外れるとそこには、ぐつぐつ、溢れんばかりの地熱パワーが。
この大迫力の装置は気液分離装置といわれるもので、温泉水と温泉水蒸気を分けるもの。鉄輪に数多く存在し、湯けむりを作り出しています。
いたるところから止まず力強く水蒸気を吐くその様子は、まるで生きているかのよう。
そして湯けむりに気を取られがちな鉄輪散歩で、実は忘れてはいけない注目スポットは足元。
長年に渡り湧き出た温泉の成分の影響で、変色している地面を見かけることも。
これまでもこれからもゆっくりと変化し続ける、まさに自然のアート作品なのです。