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てくてく

温泉がもっと愛おしくなる場所。

別府鉄輪地獄温泉ミュージアムへ、てくてく

外の空気がいきなりひんやりしてきましたね。

年々長くなっているような夏の暑さもやっと終わりを迎え、もうすっかり秋と言ってもいい季節になりました。

心地いい秋風に吹かれながら塒から歩くこと10分、本日の目的地は地獄温泉ミュージアムです。

ここ地獄温泉ミュージアムは、“温泉がもっと愛おしくなる”をテーマにした体験型のミュージアム。

私たちが何気なく浸かっている別府の温泉は、いったいどこから来ているのか、どのようにして生まれたのか、いつからそこに人々が集い、暮らし、別府鉄輪の文化が芽生えたのか…。

その答えを、訪れた人々自身が一滴の雨水となり、旅をするように学ぶことができる施設です。

そんなミュージアムでは、常設展に加え毎年様々なアーティストとの企画展示を行われています。今年度は温泉染研究所の行橋智彦さんによる展示です。

ミュージアムの展示を締めくくる最後のフロアには、別府市内の温泉と植物によって染め上げられた数々の作品が所狭しと並びます。天井から大きく吊るされた温泉染の暖簾は、時に湯けむりのようにやさしくゆらめき、まるで温泉そのものが息づいているかのよう。

また、ここは展示の場であると同時に、行橋さんご本人の温泉染研究所でもあります。
作品づくりや研究の様子を間近で見られるという、まさに“生きている展示”です。

行橋さんの在廊日は不定期ですが、温泉染研究所の公式Instagramでスケジュールを確認できるそうです。この日は運よくご本人にお会いすることができました。

行橋さんに紹介していただいたのは、別府市内のさまざまな温泉で染められた試作品たち。

同じ別府市内でも、温泉の泉質や合わせる植物、さらには毎日の源泉のコンディションによっても、微妙な色の違いが生まれるのだとか。自然が生み出す色のゆらぎに、思わず見とれてしまいました。

作品の面白さはもちろんですが、印象的だったのは行橋さんの温泉染へのまっすぐな情熱。話を聞いているだけで、こちらまでワクワクしてしまいます。言葉の端々から、温泉染への愛情と探究心がひしひしと伝わってきました。

展示を見終えたあとは、併設される「50 CAFE’」へ。
ガラス張りの中庭を望む開放的な空間で、丁寧にハンドドリップされたオリジナルブレンドのコーヒーをいただきます。

苦みは控えめで、後味すっきり。すっと喉を通るやさしい一杯でした。

そして名物は、別府市内の飲用温泉水を使って仕上げたというオリジナルのホットドッグ。

大分県産のお肉を使った完全無添加のソーセージは、口の中いっぱいにハーブが香り、ぷりっと、じゅわっと、大満足な1品でした。

50 CAFE’は、地獄めぐりの途中でほっと一息つける場所となるようにつくられたそう。
ミュージアムの利用者でなくても、立ち寄ってコーヒーを飲んだり、ただぼーっと湯けむりを眺めたり——そんな過ごし方も大歓迎だそうです。

湯のそばには、いつの時代も人が集まり、憩い、語り合ってきた。これは変わらず今も続く、別府の風景なのだと思います。

温泉も人も、その大きな流れの中で静かに巡っている。
その長い旅の物語に改めて気がついたとき、温泉がもっと、愛おしくなりました。

別府鉄輪地獄温泉ミュージアム

住所:別府市鉄輪321-1

アクセス:塒から徒歩13分/車で3分(鬼山地獄/かまど地獄/海地獄の駐車場をご利用ください)

営業時間:9:00-18:00 (最終入場は17:30)

定休日:不定休 (年間4日程度)

50 CAFE’

営業時間:9:30-18:00 (ラストオーダー17:30)

定休日:不定休

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