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てくてく

湯けむりのまちにひらかれた、小さなアートラボ

トビラボさんへ、てくてく。

太陽は少し斜めからまちを照らし、
湯けむりはやわらかな光をまとい黄金色に揺れています。

朝、布団からなかなか出られない季節がやってきました。

とある冬の日の午後、今月は筋湯通りに佇むギャラリー&ショップ「トビラボ」さんを訪れました。

トビラボさんを営むのは、アーティストのトビイルツさん。

長い間東京と海外を行き来しながら制作と生活を重ねてきたルツさんですが、巡り巡って、出身地である別府へリターン。様々なタイミングが重なり、2019年5月、トビラボさんは令和とともに誕生しました。

ルツさんにとって、仕事場兼ギャラリー&ショップとして機能するこの空間。鉄輪や別府市内の風景を写した絵、人々のハピネスの絵、オリジナル絵本の原画でもある愛らしい動物たちの絵などが並びます。

ルツさんの作品を見ていると、子供の頃新しく借りてきた絵本を、お母さんの胸の中で読み聞かせてもらったときのような感覚を思い出します。

あたたかくて、どこか懐かしくて、こころがじんわり、ほっとするような。安心の中に少しだけ混ざるわくわく、ときめき、静かな好奇心のような。そんな時間と感覚が、作品の中に閉じ込められているように感じられました。

こおにちゃんはルツさんが生み出した、オリジナルキャラクター。

「地獄」と呼ばれる鉄輪ですが、実際の鉄輪は「地獄」と聞いて想像するような恐ろしい雰囲気とは程遠い、もっとゆる~くて、のんびりで、やさしい場所。

こおにちゃんは、そんな鉄輪の空気をそのまま写し取るようにして生まれたのだそうです。

手ぬぐいやポストカード、ドリンクボトルなどのこおにちゃんグッズは、ここトビラボさんだけでなく、別府のあちこちでふとした出会いを待っています。

また、ルツさんは「鉄輪ヤング会」という団体も運営しています。

素敵なこちらの団体は、トビラボさんの隣にあるレンタルスペースを活用しながら
これから何かを始めたい人、自分の表現やアイデアを試してみたい人の背中を、そっと押してくれる活動を続けています。

取材時には、APUの学生団体「ONES’ ONE FAIR TRADE」さんが、鉄輪ヤング会のサポートを受けて出店中でした。

フェアトレードのコーヒーと手作りのスコーンを片手に、学生さんと地元の常連さんと、偶然居合わせたひとときを楽しみました。

表現すること。 やってみること。 まだ名前のついていない一歩を踏み出すこと。 鉄輪ヤング会は、 そんな小さな挑戦が安心して芽吹ける場を、鉄輪のまんなかにつくり続けています。

お話上手なルツさんとの取材時間はまるでひとつの物語を聞いているかのよう。ついつい時間を忘れて長居してしまいました。

作品に流れる優しさも、この場所の心地よさも、これはきっとルツさんそのもの。

作品はもちろん、ルツさんに会える「トビラボ」さんに、ぜひ一度足を運んでみてくださいね。

トビラボ Tobi Labo

住所:別府市井田4組

アクセス:塒から徒歩14分。車で6分。(お近くのコインパーキングをご利用ください。)

営業時間:金~月 10:00 – 17:00

定休日:火、水、木

インスタグラム:https://www.instagram.com/tobilabo/

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